レーザーの種類

 


他のページでも書いてあるように
レーザーは魔法の機械ではありませんし
1台で何でもできるというわけではありません。
また同じ波長(光の種類)のレーザーでも
レーザー1発1発のパルス幅(いわば発光時間)で
その治療目標は大きく異なります。

最近の急速なレーザー治療の発達は
selective photothermolysis

thermal relaxation time
という考え方ができてからです。
この考え方を非常に簡単に説明すると
治療目標になるものにだけ吸収されやすい光を用い 、
それを破壊する間だけレーザーを照射して
目標以外の周辺には熱がいかないようにしよう
という考え方です。

それぞれの治療目標が破壊されるまでに必要となる
レーザーの照射間は異なりますので
何を治療するかによって照射時間(=パルス幅)が
非常に大事になってくるのです。

その中でQスウィッチの登場は非常に画期的なものでした。
Qスウィッチというのはレーザーを
10億分の1秒単位で コントロールし
発光するメカニズムです。
これにより黒、茶色系のアザや色素沈着が
傷跡を残すことなく治療可能になったのです。


DYEレーザー(パルス色素レーザー)

波長50nm前後のレーザーで赤い色に吸収されやすく
赤アザ(単純性血管腫、苺状血管腫)、毛細血管拡張症
の治療に用います。

酸化ヘモグロビン(赤血球)に吸収され
そこで発生した熱が血管に作用して血管をつぶします。
熱の影響が周囲に広がる時間が必要となるために
茶アザやシミをとるレーザーより
パルス幅は300〜450μsecと
長くなっています。
従って同じ赤い色でも
このレーザーで入れ墨の赤を消そうとすると
ヤケドを起こし傷跡が残ります。


Nd・YAGレーザー

CW(連続波)のものはいわゆるレーザーメスとして
医療用のレーザーの中でも古くから用いられています。
最近ではアザ取りのレーザーとして
用いられることが多いです。
このレーザーはさらにいくつかに分けられます。


Alexandriteレーザー

波長755nmのレーザー光で
これもQスウィッチ付きのものと
long−pluse ものとがあります。


Rubyレーザー

Rubyレーザーも歴史が古いレーザーです。
波長694nmとメラニンに吸収されやすい光で
茶アザなどの治療にもっとも古くから使われていました。
Q−Rubyの開発がこの10年のレーザー治療発展の
引き金になったといってもいいかもしれません。

このレーザーもQスウィッチと
long(normal)pluseに 分けられますが
YAGやAlexとは異なり
使用目的はほぼ一緒で母班の治療が主です。
シミや刺青にはQスウィッチを用いますが
その他の母班などでのこの使い分けは
非常にマニアックな世界です。
結果に使い方の差が出るために
治療している方としては非常におもしろいところです。
ただ一般の方は
シミや刺青にはQ−スウィッチで
とだけ覚えていればよいと思います。


Co レーザー

波長10600nmのレーザー光で水によく吸収されます。
色ではなく水に吸収され熱に変わるので
連続波(cw)のものはいわゆるレーザーメスとして使われてきました。
最近は断続的にレーザー光を出すpulseCo2レーザーが主流です。
主に 浅いホクロやある種のシミなどの治療に使うことが多いのですが
工夫次第でいろいろな使い方ができます。

レーザーの中でも比較的安いので
レーザーを専門にやっていないクリニックでも
持っていることが多いレーザーですが、
cwしか出せない機械の方が安いために
ホクロやシミもcwで治療してしまうケースがあるようです。
cwは熱の影響が大きく傷跡を残しやすいので
ホクロやシミの治療には不向きといえます。
治療を受ける際にはそのクリニックが
どんな機械を使っているのか注意が必要です。

pulseCo2レーザーの中でも
ウルトラパルス、スーパーパルス、フェザータッチ
という機能を持った機械は
熱の影響を出さずに皮膚の表面をごく浅く削ることが可能です。
この機能でシワやニキビ跡の凸凹を削り
皮膚をなめらかにすることができます。
これをLaser−peeling
Laser−abration

欠点は1週間ほどかさぶた状態になることと
治療後3〜6ヶ月間、色素沈着を来すことです。
シミ取りの場合色素沈着を起こしても
比較的小範囲なので誤魔化しやすいのですが 、
シワやニキビ跡の場合広範囲なことが多いので
顔全体が茶色になり日常生活にかなりの制限を来します。


Er・YAGレーザー

波長2940nm、パルス幅350μsecのレーザーです。
Co2レーザーの10倍水に吸収されやすく
Co2レーザーより熱の影響が非常に少ないレーザです。
ultra pulseなどより1回に削れる厚さが薄いために
眼瞼など薄い皮膚に対しても使用が可能です。
熱の影響が少ない分色素沈着は少ないといわれていたのですが
あまり差がなかったという報告もあります。
逆に熱の影響がない分コラーゲンに対する反応が弱く
シワ取りの効果は低い可能性もいわれています。
比較的最近出てきた機械なので
今後の 総合的な評価が待たれるところです。