レーザーの不思議

 


最近レーザー治療の広告をよく見ます。
でもレーザーを使った治療ということは判っても
レーザー光線自体どういうものなのだかピンとこないと思います。

レーザー光線にはいくつかの大きな特徴があります。
その中で最も重要な特徴は純粋に1種類(波長)の光でできているということです。
太陽光線をプリズムに通すと7色の光に分かれることはご存じと思います。
これは太陽光線がいろいろな種類(波長)の光を含んでいるために起こります。

ではレーザー光をプリズムに当てるとどうなるでしょうか?
何も変わらず元々の色のレーザー光が出てくるだけです。
これはレーザー光が純粋に1種類の光だけでできているからです。
なぜこれが最も重要かというと
光はその波長によって吸収されやすい色が異なるからです。
黒に吸収されやすい光もあれば、
黒にはほとんど吸収されず
赤には非常によく吸収される光もあるといった具合です。

レーザー治療この性質を利用し
アザ、シミの色に合わせてもっとも適当な光の種類を当て治療します。
だから理論的には色の種類だけレーザーも種類が必要ということになります。(注1)
しかし実際にはシミ、アザのレーザー治療機は
赤アザ用と茶、青あざ用の2つに分けられるだけです。(注2)
実は人間の皮膚の色は2つの要素で決まるからなのです。

その2つとは血液の赤とメラニン色素の黒です。
いわゆる赤アザは単純性血管腫やイチゴ状血管腫と呼ばれる
局所的な血管の増加によるものです。

一方その他の色はどうでしょう。
茶アザと青あざじゃ明らかに違うように思えますが
根本的には同じ色といえるのです。
茶アザはヒフの浅い層に黒い色素が薄くあるため茶色く見え
青アザは深いところに黒い色素が多くあるため青く見えるのです。
(入れ墨で黒い墨汁を入れているのに青くなるのと一緒です)

つまり赤アザには血液の色に反応しやすいレーザーを選べばよく
茶アザや、青アザにはメラニン色素の黒に
反応しやすいレーザーを 選べばよいことになります。(注3)


手軽な治療になった感のあるレーザー治療ですが
まだまだ気軽にとはいきません。
雑誌やTVでは レーザー治療は
魔法の治療やりっぱなしの治療で、
レーザー照射の時だけがすべてのようにいっていますが
実はその後が大変重要なのです。

レーザー照射後の皮膚は大変デリケートなので
2〜3ヶ月の間一時的な色素沈着を起こす可能性が高いのです。
そのため治療後もある程度通院が必要ですし
場合によっては脱色素クリームなども使う可能性があります。
また、治療後の6ヶ月間は日焼けは絶対に避けなければ行けません。
もしこの時期に日焼けをしてしまったら、
せっかく取れたシミが元以上に黒くなり
今度はレーザーでも取れなくなってしまいます。
やはりきれいになるには努力が必要なのです。


色素沈着以外の副作用はどうでしょうか?
よく訊かれるのが発ガン性です。
多分、X線のような放射線と混同しているためだと思います。
上にも書いていますが 自然の光にはいろいろな種類のものが含まれています。
人間の目に見える可視光線を中心に考えると
その片方の端に紫色があり反対側に赤色があります。
これが可視光線からの領域から離れていくと
それぞれ紫外線と赤外線になります。
放射線や紫外線、可視光線、赤外線、遠赤外線、電波
こうしたものをまとめて電磁波と呼びますが、
これらの違いは波長(波の幅)の違いです。
紫は可視光線の中でもっとも波長が短く
赤い色に近づくほど波長が長くなります。
X線などいわゆる放射線は 紫外線より波長が短い電磁波で
アザやシミにの治療に使っているレーザーのほとんどが
赤色かそれに近い波長のものです。
つまり放射線など人体に悪影響を及ぼしやすい電磁波とは
正反対の電磁波といえます。


注1)レーザーの種類
理論的には10万種類可能と言われてます。

注2)レーザーの分類
これは治療対象の色だけに限った非常に単純な分類です。
実際には同じ茶アザ用でも何種類もあります。

注3)レーザーの選択
実際には色に対する反応だけで
レーザーの種類を決めるわけではありません
レーザーの照射時間などの様々な要因があります。
赤アザに効くからといって入れ墨の赤に使ったり、
黒に反応するからと
シミ取りレーザーで脱毛するのには無理があります。
一方、最近では1台の機械で数種類の光を出すことができ
複数の色に対応するものもあります。
1台でいくつもの治療ができると
購入費もスペース的にも非常に助かるのですが
1台故障するだけですべての治療ができなくなるので
これも善し悪しです。